VOICE
vol.10 SELECT SHOP BUYER
デミルクス ビームスのディレクター&バイヤーが語る
「服好きな女性ほどピレネックスに惹かれる訳」

トレンドとベーシックを巧みに織り交ぜたスタイリング提案に定評のあるデミルクス ビームス。オンとオフをボーダーレスに楽しみたい女性から熱烈に支持される同店の舵取りを担うお二方に、女性から見たピレネックスの魅力を、馴れ初めや昨今のダウントレンドを交えて語っていただきました。

 

展示会で見た瞬間バイイングを即決!

写真左:チーフバイヤー 浜 典子さん
写真右:ディレクター 安藤由美子さん

浜さん 正直に告白すると、恥ずかしながら2016年に日本へ本格上陸する前までは、ピレネックスについて今ほど深くは知りませんでした。もちろん名前は見聞きしていましたが、産地直送ダウンを使っていることを含め、ここまでデザインが秀逸で、生産背景も語れるブランドとは思ってませんでしたね。

安藤さん 右に同じです(笑)。ビームス内ではインターナショナルギャラリー ビームスがいち早く取り扱っていたんですが、ここのメンズレーベルはトレンド要素が強い、言うなれば少し尖ったアイテムと、ベーシックなアイテムのミックス感が特徴。で、私は勝手にピレネックスは前者の方だろうと思ってたんですが、代理店であるグリフィンインターナショナルさんの展示会で実際にダウンを拝見したら、“あ、ベーシックの方だったんだ!”って。

浜さん そうそう、いい意味で予想外でしたよね。見た目は本当にシンプルなんだけど、しっかりフレンチブランドらしさが漂ってて、アメリカやカナダ、イタリアなどのダウンメーカーにはない落ち着きが感じられた。MDを交えて3人で話し合ってすぐにバイイングさせていただくことが決まりましたね。

安藤さん このスピード感って、実はかなり異例なんです。というのも、ダウンは秋冬の目玉なんですが、売り場の面積は限られている反面、かなりスペースを取るアイテムなので、提案できるブランドの数はどうしても限られてしまう。だからどのブランドのダウンを扱うかは毎シーズン慎重に話し合って決めてるんですが、ピレネックスに関して言うと全員即決。多分純粋に自分たちが着たくなっちゃったのも大きいと思います。

浜さん 左に同じです(笑)。

 

女性のワガママにすべて応えてくれる希少なダウン

浜さん そういう異例のスピード感で2018年から販売させていただくことになったんですが、驚いたのは知名度の高さ。ピレネックスはメンズの方が認知度が高いから、女性のお客様には徐々に広めていこうと思っていたので、指名買いされる方が多かったのは、またいい意味で予想外でしたね。

安藤さん ショップスタッフが言うには、迷ってるお客様も試着すると大体購入されていったそう。やっぱりこの着た時のシルエットを鏡で見たら欲しくなっちゃうんですよね。

浜さん わかります。パッと見じゃ気づかないんですけど、このパターンは相当計算されてますよね。“暖かくなきゃイヤだけど細く見せたい!”なんてワガママな女性のリクエストにしっかり応えてくれる。

安藤さん しかも最近のトレンド的には、細く見せたいけどウエストがくびれてるのはNGなんですよね。緩さも適度に欲しいというか…。とにかく自分を含めつくづく女性はワガママなんですけど(苦笑)、ピレネックスはどのモデルもウエストが必要以上にシェイプされていないから、自然と今っぽく着こなせるんだと思います。

浜さん それはありますよね。あとは女性がみんな喜んでるのがこの軽さ。これだけロフト感があって暖かいのに、ビックリするほど軽い! 着た時にストレスを感じないのは女性にとってはかなり嬉しいんじゃないでしょうか。

安藤さん 羽織ったら結構感動しちゃいますよね。しかもこれだけ軽くて暖かいのにはちゃんとした理由がある。本社工場の近くのダック牧場で採れた羽毛を熟練職人が原則24時間以内に加工してる、なんて生産背景を聞いたら、この軽さや暖かさにも納得。少し前までは製品作りの背景まで気にする女性は少数派だったと思うんですけど、最近では少しずつ増えてきてる。そうした風潮も後押しして、物選びにこだわる服好きな女性にも響いてるんだと思います。

浜さん たしかに。やっぱりダウンは週5で着る人も多い冬場のメインアウターだし、他のアイテムに比べて価格が高めだから、見た目も実用性も生産背景も妥協したくないという人は多いですよね。その点ピレネックスは女性がダウンに求める要素をすべてクリアしてる。これってやっぱり女性に優しい国で育まれたブランドだからなのかもしれませんね(笑)。

最後にお2人にお気に入りのモデルでコーディネイトしていただきました。

2005年に入社後、ビームス 丸の内で10年以上スタッフとして勤めた後、2017年から現職に。チーフバイヤー浜さんはボルドーをチョイス。冬場は迷ったらボルドーを羽織るのがルーティンになってるそう。

2009年に入社後、ビームス 鹿児島にてスタッフとして勤務した後、2014年からVMDに。2017年から現職。ディレクター安藤さんはカンヌがお気に入り。アウターとしてもインナーとしても活用中だそう。