この冬を共に過ごした〝ダウンジャケット″
来シーズンもピレネックスのダウンを活躍させて頂きたい、という思いから、ダウンジャケットのクリーニングに定評のある
「クリーニングカラキヤ」にお邪魔してきました。
そこで日常のお手入れや、シーズンオフの保管方法を工場長も務められていた現・常務執行役員の向山さんにお伺いしました。
日常のケアに大切なことは「洋服を大切にする気持ち」と向山さん。
とても探究心のある方で、その経験で培った感覚やプロならではの視点からのお話は大変興味深くためになることばかり。
「洋服を大切にする気持ち」を念頭に、ぜひ日頃のケアにお役立てください。
ダウンジャケットのシーズンも終了し、そろそろ衣替えの季節になってきました。
第1回目「日常のお手入れ」に続き、第2回目は「保管方法」についてご紹介します。
Q:クリーニングはシーズン前(着用前)とシーズン終わり(着用後)に出すのはどちらが良いですか?
[ クリーニングはシーズンオフに! ]
ダウンジャケットをクリーニングに出すタイミングは、着用後のシーズンオフがベストです。
着用シーズン中に溜まった汚れを落とさずに保管することで、シミの酸化黄変、匂いの発生原因となり、カビ、変色、虫食いの原因にも
なります。
そのような状態は汚れが奥深くまで浸透しているため、ハードな洗浄が必要となり結果的に生地にダメージを与えてしまいます。
着用頻度やダウンジャケットの状態にもよりますが、年に1回はクリーニングに出してほしいと思っています。
Q:クリーニング後のビニールは被せたまま保管しても良いのですか?
[ ビニールは外して通気良く! ]
クリーニング後のビニールは綺麗になった品物が店舗保管中に汚れないように被せています。
このビニールを被せたまま保管するとトラブルに繋がることがあります。
●カビの原因
通気性が悪いビニールの中は空気の循環が悪くなり、湿気がたまりやすい状態です。
それにより湿度が上がり、カビが発生しやすい環境となってしまいます。
●変色の原因
空気中にある酸化窒素ガスや排気ガスが、通気性が悪いビニール内で化学変化を起こし、衣類の変色の原因になる可能性があります。
ホコリや汚れから衣類を守るためにご自宅でもビニールを被せて保管する場合は、片側か両面が不織布で作られた物を使用すると
通気性が保たれ、ホコリからも守ることができます。
また、紫外線や蛍光灯に長時間あたると色焼けが起こる可能性もありますので、なるべく暗い場所で保管することをおすすめします。
Q:圧縮袋に入れて保管しても問題ないですか?
[ 圧縮袋は大きめサイズで ]
圧縮袋で保管しても問題はないですが、使用する際はシワになりにくくするために、布団用などの大きめサイズの袋を使用し、保管場所は湿度の
高い場所を避けて保管することをおすすめします。
圧縮袋から出した後はダウンが潰れていると思いますが、コインランドリー等の大型乾燥機を利用するとロフト感(かさ高)が復元できます。
またファーが付いている場合は、ファーを綺麗に圧縮することは難しいため、取り外してジャケットのみ圧縮する方が良いと思います。
ここで裏技!
圧縮袋から出した後、乾燥機にかけるときに霧吹きで表面全体を軽く湿らせてから乾燥機にかけるとシワも伸び綺麗になります。
(乾燥時間は10分~15分程度。)
Q:クリーニングの際、ファーはどのようにしたら良いですか?
比較的綺麗な状態の場合、クリーニングは不要です。
しかしファー自体に汚れやベタつきを感じた場合はクリーニングに出してください。
実は湿気でファーの毛抜けが起こる可能性もありますので、加湿器を使用する冬場などはダウン同様ファーの保管にもお気をつけください。
Q:前回の日常ケアの内容と重複してしまいますが、撥水加工はやった方が良いですか?
撥水加工を施すことにより、撥水加工剤の上に付着した汚れも同時にクリーニングで除去できます。
加工なしの製品と比べて汚れは落としやすいため、クリーニングの度に撥水加工をプラスすることをおすすめします。
現在、常務執行役員を務められている向山さん。
近頃はカメラに夢中で自身で実験したクリーニング事例などを撮影してはインスタグラムへアップしているそう。
なんとウェブサイトの更新も向山さんご自身がされているとか
様々な事への探究心があり、それ故クリーニングのエキスパートと呼ばれるまでになったお方です。
クリーニングカラキヤ
店舗住所:東京都港区高輪 2-7-8
電話番号:03-3445-0974
営業時間:8:00 ~ 17:00
定休日:日・祝日・その他
URL:http://www.karakiya.com