男女問わずファッション感度の高い人たちからの評価がうなぎ上りのピレネックスのダウンウェア。たくさんのライバルブランドがひしめく中、なぜ今このフレンチダウンが熱く注目されるのか? その理由を、各誌で活躍中の売れっ子スタイリスト2名に語っていただきました
大人っぽいデザインにフランスの洗練を感じますね。村山さん
スタイリスト・村山 佳世子さん(以下村山) 四方さんはいつ頃からピレネックスのことをご存知でした?
スタイリスト・四方 章敬さん(以下四方) 僕がまだアシスタントをやっていた頃ですから、7、8年前でしょうか。
村山 2016年にピレネックスが正規輸入代理店を通じて本格展開されるずっと前の話ですね。
四方 そうです。その頃は一部のセレクトショップさんが独自に買い付けていて、雑誌でダウンウェアの特集をする際にたびたびリースしていました。
村山 私もこのタグを昔セレクトショップで見かけた記憶がありますが、本当によく知るようになったのは、昨年自分用に「ボルドー ジャケット」というモデルを買ってからですね。スタイリングなどで使用するうちに欲しくなってしまったんです(笑)。女性用のダウンウェアは、カジュアルで、どちらかといえば若々しいデザインのものが多いんですが、ピレネックスにはシックで大人っぽいイメージがある。これならキレイ目なファッションにも合わせやすいかなと思いまして。
四方 もともとベーシックなデザインが多かったんですが、昨年のコレクションからデザインがぐっと洗練されたんですよね。アウトドアテイストを残しつつ、より街中で映える感じに。少しモードな雰囲気のモデルがあるのもいい。
村山 サイズ感も街中で丁度いいように調節されているんですよね。だから周りの編集者やライターさんたちも着始めて。そうなると自然と雑誌での露出も増えるから、一気にお洒落に関心の高い人たちの間で認知度が高まった。
100%フレンチダウンという贅沢さも大きな魅力です。四方さん
四方 ピレネー山脈の麓で育ったダックから採取した羽毛を用い、それを自社で高級ダウンに加工した“100%フレンチダウン”をふんだんに充填している贅沢さに魅力を感じる人も多いんではないでしょうか。実際ここのダウンは「エスペレット ベスト」のようなインナーダウンとして使えるモデルでも、程よいボリュームがあり、そのせいかまったく安っぽく見えない。何よりメチャメチャ暖かいのがいいです。
村山 確かにここのダウンは暖かさが全然違う。冬のロケでは本当に助かりました。ほら、撮影って早朝にやることが多いじゃないですか。海ロケとかだと本当に極寒で……。
四方 早朝の丸の内ビル街でのロケもキツくないですか?
村山 そうそう。ビル風がキツくて、私たち女性誌では“シベリアロケ”と呼んでるくらい(笑)。そういうときにピレネックスは本当に頼りになる。
四方 一応こういう仕事をしていますから、寒さを凌げればなんでもいいというわけじゃなく、洒落感や旬度もさりげなく醸したい。となるとピレネックスに行き着く。
村山 ところで四方さんはどのモデルが一番好きですか?
四方 昨年買ったのは「アヌシー ジャケット」。仏流ノームコアを体現したようなシンプルなデザインや、長すぎず短すぎない絶妙な着丈で、どんな着こなしにもハマるところが気に入っています。あと今年は「ミシック ジャケット」の鮮やかなブルーも気になるなぁ。ちょっとレトロスポーツなテイストがあり、これにあえてスラックスとかのドレスアイテムを合わせて着てみたいです。
村山 その着こなし、とっても今っぽいですね。自分は今年、インナーとしても着られるノーカラーの「カンヌ ジャケット」を買い足そうかと。じつは私、トレンチコートが大好きなんです。これを挟めば真冬も十分トレンチを着られますから。フロントがダブル合わせになっているところももちょっと個性的でいいんですよね。価格も手頃だから買い足しのハードルも低い(笑)。
四方 ピレネックスはどのモデルも価格が良心的。このクオリティでこのデザインだったら、昨今はもっと高い値段をつけていてもおかしくないのに。
村山 そんなコスパの高さも、ピレネックスに注目する人が増えている理由でしょうね。ラグジュアリーメゾン化して、ぐっとプライスゾーンが高くなってしまったダウンブランドも多いけれど、是非ピレネックスにはこの価格帯をキープしてもらいたいです。
四方 そこは僕も強く願うところ。5年、10年とずっと着られる本格フレンチダウンがこの価格帯というのは本当にありがたい。僕のように他にアレコレと服を買いたい人にはとくに(笑)。
村山 同感です。ピレネックスは、ちょっと頑張れば誰もが手が届く本格ダウンというところがいい。この絶妙な立ち位置に気がつく人、今年はさらに増えるんじゃないかしら。
STYLIST 村山 佳世子さん
集英社「マリソル」「エクラ」をはじめ女性誌を中心に活躍するトップスタイリスト。ベーシックで誰もが取り入れやすいスタイリング提案は業界内でも信奉者多数。
10月5日に自身初のスタイルブック「一生もののおしゃれが身につく10のルール100のコーディネート」が発売。
STYLIST 四方 章敬さん
ドレスからカジュアル、クラシックからモードまでと幅広い領域をカバーし、多くの人気男性誌で活躍。いまもっともスケジュールを抑えるのが困難な男性スタイリストの一人。